一棟マンションの売却を解説。売却のタイミングや基礎知識を解説
一棟マンション投資は区分投資よりも利回りが高く、家賃収入がゼロにはなりにくいなどのメリットがありますが、売却したほうがいいケースもあります。
一棟マンションの売却をおすすめするケースや基礎知識を解説します。
一棟マンションを売却する理由・おすすめするケース
一棟マンションの売却をおすすめするのは、以下のようなケースです。
- 不動産価格が上昇している
- 立地が今より良くなる見込みがない
- マンションや設備の償却期間が終了する
- 今後マンション経営をする気がない
- 築25年以内
- 老朽化で今後の修繕費用がかさむ
不動産価格が上昇している
不動産価格の上昇は、一棟マンションの売却を検討する理由になります。売主はより高い価格で売却でき、購入する側(投資家)が利益を確保しやすいため、買い手がつきやすくもなります。
国土交通省の不動産価格指数によると、2020年〜2024年の不動産価格は上昇傾向にあります。
不動産価格指数とは、年間30万件ほどの不動産取引価格を参考に、不動産の価格を指数化したものです。
参考:国土交通省 不動産価格指数
ただし、地域や物件によって状況は異なるため、個別の市場分析が不可欠です。
価格上昇のタイミングを逃さず売却することで、投資利益を最大化できる可能性があります。
一棟マンションの需要は依然として高い
一棟マンションの需要は、依然として高い水準を維持しています。
不動産価格指数(商業用不動産)によれば、2020年頃からマンション・アパート一棟の価格が急上昇しています。投資用不動産としての魅力が高く、安定した収益を得やすい一棟マンションですが、近年は投資家からの人気が高まっています。
不動産価格の変動には確かさの度合いが高いプロの見識が必要になるため、一棟マンションをはじめて売却するのであれば、不動産会社などへの相談をおすすめします。
立地が今より良くなる見込みがない
立地条件の将来性は、一棟マンションの価値を左右する重要な要素です。
都市計画や再開発の見込みがなく、周辺環境の向上が期待できない場合、資産価値の維持が難しくなる可能性があります。再開発があるエリアでは生活利便性や交通利便性(通勤・通学のしやすさなど)が向上し、住みやすくなります。
生活利便性の高さは、近くにあるコンビニやスーパー、医療機関など日常生活で利用する施設の数に左右されます。
生活インフラの充実度や交通利便性が低下傾向にある地域では、早めの売却が賢明かもしれません。
マンションや設備の償却期間が終了する
減価償却期間の終了は、一棟マンション売却を検討する重要なタイミングです。
建物や設備の費用は毎年、下がっていく資産価値を減価償却費として経費にできます。会計上の赤字を大きくすることでサラリーマンの給与所得を減らし、節税につなげることも可能です。
通常、建物の耐用年数に応じて設定される償却期間が終わると、税務上の節税効果が薄れます。
これにより、保有するメリットが減少し、売却を考える時期となります。
今後マンション経営を続ける気がない
一棟マンション経営の継続意欲が失われた場合も、売却が有効な選択肢です。
具体的には以下のようなケースです。
親から一棟マンションを引き継いだが、管理会社任せで経営する自信がない
マンションを所有する親が高齢で、子供も経営する意思がない
特に相続対策として、現金化による納税資金の確保はおすすめです。
不動産の評価額が高く、相続税の負担が大きくなる可能性がある場合、事前に売却して現金化しておくことで、相続人の負担を軽減できます。
管理会社に丸投げなら売却した方がいい
一棟マンションの管理を完全に管理会社に任せきりにしている場合、売却を検討しましょう。
管理会社任せにすると、物件の細かな状況把握や迅速な意思決定が難しくなり、長期的には収益性の低下につながる可能性があります。
また、管理ノウハウが身につかず、費用対効果の検証も難しくなるでしょう。
マンション経営は人任せにせず、オーナー自身が経営状況に関心を持ちつつ進めるべきです。自己責任で情報を集めて、リスクを管理することで成功に近づけるのです。
オーナーとしての主体性を持って経営に関わる意欲がない場合は、専門家のサポートを受けながら売却を検討することをおすすめします。
築25年以内
一棟マンションを含めた不動産は、築浅の物件ほど高値で売却できる傾向にあります。
東日本不動産流通機構(レインズ)が2024年に発表した中古マンションの築年帯別平均価格を見ると、築26年〜30年以降の成約価格は、それ以前と比べて大きく下がっています。
中古マンション成約状況(万円)
築年数 | 価格 |
---|---|
築0~5年 | 7,077 |
築6~10年 | 6,655 |
築11~15年 | 5,932 |
築16~20年 | 5,509 |
築21~25年 | 4,887 |
築26~30年 | 3,344 |
築31~35年 | 2,303 |
一棟マンションは、価格の下がり幅が緩やかな築25年以内の売却がおすすめです。
老朽化で今後の修繕費用がかさむ
一棟マンションの老朽化に伴う修繕の費用は、売却を検討する重要なポイントです。
特に、区分所有のマンションと比べて、一棟所有者の修繕費負担は大きくなります。
大規模修繕には、外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新など多額の費用がかかります。
これらの費用は長期修繕計画に基づいて積み立てる必要がありますが、予想以上に高額になることも少なくありません。
赤字経営を避けるためには、投資開始時点から具体的な修繕計画を立てておくことが重要です。
一棟マンション売却の流れを解説!高く売るコツや注意点も
一棟マンションの売却は複雑なプロセスを伴いますが、適切な準備と戦略次第で高値での売却を見込めます。
一棟マンション売却の流れ
一棟マンション売却の流れは以下です。
- 複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額や担当者の対応を比較する
- 媒介契約を結んだら、内覧会を実施するなど売却活動を行う
- 買主が決まれば、価格交渉などを経て契約へと進む
- 引き渡しと決済を行い、売却を完了させる
売却活動を開始してから。買い手が付くまでの期間は、平均で3カ月から6カ月です。
売却前に行いたい準備
売却を成功させるには、事前の準備が鍵となります。
まず、物件の現状を詳細に把握し、必要に応じて軽微な修繕や清掃を行いましょう。次に購入する際の判断材料になる修繕履歴や、賃貸契約書などの重要書類を整理します。
査定額の妥当性を確かめるためにも、自身で相場を把握しておきましょう。土地総合情報システムを利用し、過去に成約した案件などから類似物件の価格を検索することで、だいたいの価格相場が判明します。
また、税金や諸経費を考慮し、手取り額を試算しておくことも重要です。
これらの準備を整えることで、スムーズな売却と適正価格での取引が期待できます。
査定で重視される項目と売却価格を上げる方法
一棟マンションの査定では、立地、築年数、再開発計画の有無、建物の状態、入居率などが重視されます。
売却価格を上げるには、これらの要素を最大限に活かすことが重要です。
例えば、入居率を高めるために積極的な入居者募集を行ったり、適切な修繕や設備更新で物件の魅力を向上させたりします。
また、エリアの将来性や周辺の開発計画なども価格に影響するため、これらの情報を整理して査定時にアピールすることが効果的です。
正確な収支資料の提出も、投資物件としての価値を高めるために重要です。
売却費用や税金を把握するのも重要
一棟マンション売却時には、さまざまな費用や税金が発生します。
主な費用として、不動産仲介手数料(売却価格の3%+消費税)、登記費用、抵当権抹消費用などがあります。
税金面では、所得税と住民税が課せられ、所有期間によって税率が変わります。
一棟マンションの売却は通常の不動産取引よりも金額が大きく、売却費用も大きくなります。事前にどのくらい費用がかかるか計算しておきましょう。
一棟マンション売却が得意な不動産会社への依頼がおすすめ
一棟マンションの売却は、マンション一室の売却とは異なる専門知識や経験が必要です。
そのため、一棟物件の取り扱いに精通した不動産会社に依頼することが重要です。
このような会社は、投資用不動産の市場動向に詳しく、適切な価格設定や効果的な販売戦略の状況を把握しています。
また、潜在的な購入者とのネットワークを持っていることも多く、スムーズな売却につながる可能性があります。
複数の専門会社に相談し、実績や提案内容を比較した上で、信頼できる会社を選ぶことが、成功への近道となるでしょう。
一棟マンション売却が難しい場合は買取も検討する
一棟マンションの売却が難しい場合、買取という選択肢も視野に入れることがおすすめです。買取とは不動産会社が直接購入する方法です。
買取は通常の売却方法と比べて迅速な現金化が可能で、物件の状態に関わらず売却できるメリットがあります。
一方で、市場価格よりも低い金額での取引となるデメリットもあります。
しかし、状況によっては買取が最適な解決策となる場合もあるため、慎重に検討する価値があるはずです。
一棟マンションは売りにくい
一棟マンションは、区分マンションや戸建と比べて売却が難しいです。
投資用不動産であるなどの理由から一般の購入者は見込めず、区分マンションより高額な取引になるため、購入できる層が限られていることが挙げられます。
そのため、買主が見つかるまでに時間がかかることがあります。
買取に出すメリット・デメリット
買取に出すメリットとしては、迅速な売却が可能なことが挙げられます。
通常の売却と比べて、手続きが簡素化され、短期間で現金化できます。
また、物件の状態が悪かったり、瑕疵(かし)がある場合でも売却できる点も大きなメリットです。
また老朽化が進んでいたり、修繕が必要な物件でも、通常の売却よりも買取であれば売却の可能性が高まります。
一方、デメリットとしては、通常の売却方法と比べて売却価格が低くなる傾向があります。
買取業者は転売を前提としているため、市場価格より低い金額での取引となることが多いです。
また、買取業者によっては契約後に査定価格を下げてくる場合もあるため、信頼できる業者選びを心掛けましょう。
買取を依頼する不動産会社選びのポイント
複数社に査定依頼 担当の印象などで選ぶという内容を入れてください
買取を依頼する不動産会社を選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 複数の会社に査定を依頼する
- 買取実績や専門知識がある業者を選ぶ
- アフターフォローや相談ができる
まず、複数の会社に査定を依頼することが重要です。これにより、適正な価格帯を把握でき、また各社の対応の違いも比較できます。
次に、一棟マンションの買取実績や専門知識を持つ会社を選ぶことが大切です。経験豊富な会社ほど、適切な評価と迅速な対応が期待できます。
また、担当者の印象も重要な選択基準です。丁寧な説明や誠実な対応をする担当者を選ぶことで、スムーズな取引が期待できます。
加えて、買取後のアフターフォローや、売却後の税金に関するアドバイスなど、総合的なサポート体制がある会社を選ぶことをおすすめします。
最終的には、価格だけでなく、信頼性や取引の安全性を重視して選択することが、成功への近道となります。
- 高値売却かつ早期売却したい方におすすめの不動産会社 No.1 ※
- 知人に紹介したい不動産売却会社 No.1 ※
- 相続の相談をお願いしたい不動産売却会社 No.1 ※
トップファーストでは、全国の一棟アパートや一棟マンションといった収益物件をはじめ、様々な不動産を取り扱っております。
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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。