アパート経営が難しい。課題に直面したとき大家がすべきことは?
アパート経営に乗り出したものの、思わぬ困難に直面し頭を抱えていませんか。家賃の滞納、入居者とのトラブル、空室の増加など。これらの問題は、多くの大家が経験する共通の悩みです。
ここで諦めるか、課題を乗り越え再度経営を軌道に乗せるかが、将来を左右する重要な分岐点です。
アパート経営で直面する典型的な問題と、それらを解決するための具体的な方法を確認して、対策を講じましょう。
アパート経営が難しいと痛感した事例と対策
アパート経営をする大家がアパート経営の難しさを実感する、そのようなシーンに共通するのは「収益性」に関することです。
「利益の減少」「高い空室率」「ローン返済」「低い家賃設定」などにより経営が苦しくなります。これらの収益性に関する悩みが生まれる原因と、解消するための対策について解説します。
想定していた利益を生み出せない
大家自身が想定していた利益が生み出せない場合、あるいはアパート購入時に不動産会社から提示されたシミュレーションどおりの利益が出ない場合、アパート経営はたいへん難しいものになります。
想定していた利益が少ない場合には、つぎのような課題が経営上生じてきます。
- 手取収入が減少する
- 長期修繕計画にもとづく修繕積立金が予定どおり積み立てられない
対策
手取りの収入を増やすには次のような対策があります。
- 入居率を上げ、家賃収入を増加させる
- 必要経費を見直し、支出を減少させる
入居率を上げるには「空室対策」が必要です。たとえば広告料の見直しなど宣伝広告方法の改善や、フリーレント期間の設定や延長など、賃貸条件の見直しをします。
必要経費の見直しとしては、原状回復工事の内容や依頼先の変更による工事単価の減額、火災保険の内容を見直し支払う保険料を軽減するなどがあります。
空室対策を行っても空室が埋まらない
入居率を高めようとさまざまな空室対策を行っても効果がない場合、大家としては打つ手がなく途方に暮れることもあります。
そのようなときにはアパートの経営環境を見直すことも大切です。以下のように見直してみると、ニーズとのミスマッチに気づくことがあります。
- アパートの立地や現在の状況がニーズに合っているか
- 賃貸条件はニーズにマッチしているか
対策
空室対策の効果がない場合、アパート環境の見直しにより考えられる対策は以下のようなものです。
- 大規模リフォームやリノベーションを行いニーズに合ったアパートに再生させる
- 賃貸条件を見直して用途や使用方法の制限を緩和する
- 賃貸住宅に限定せず「民泊」や「寄宿舎」などへの用途変更を行う
大規模リフォームやリノベーションは、アパートを賃貸ニーズに適合するよう改築する方法です。
たとえば、単身者が多い立地でファミリータイプのアパートを経営している場合、単身タイプに変更する方法が考えられます。
用途や使用方法の制限を緩和する方法もあります。
「居住専用」ではなく、事務所や店舗としての利用や、在宅ワークが可能なように最低限のリフォームを行う方法もあるでしょう。
また「シェアルーム・ハウス」に対応した契約方式を採用し、対象顧客層を増やす考え方もあります。
用途変更の事例としては、空室期間を「民泊」として使う方法があります。現在では一般化した方法ですが、始めるには許可が必要であり、ひととおりの知識も必要です。
あるいは企業などの事業者が運営する寄宿舎や社員寮としての活用も考えられるでしょう。
アパートとしての用途に限定せず、さまざまな可能性を検討することが重要です。
アパートローンの返済が苦しい
家賃収入が減少するなどにより収益性が悪化すると、アパートローンの返済が苦しくなる場合もあります。また変動金利の場合は金融情勢の変化により金利が上昇し、返済が苦しくなるケースも少なくありません。
アパートを購入するときの資金計画は慎重に検討すべきですが、金融機関の融資姿勢が積極的なときは借入比率を大きくしている場合もあります。
経営の安全性を考慮すると、年間家賃収入に対する返済額の比率は50%以下にするのが望ましいとされますが、返済比率が高い場合には家賃収入の減少や金利の上昇により返済が困難になるケースもあるのです。
対策
アパートローンの返済が苦しい時の対策として、次のような方法が考えられます。
- 返済条件の変更を金融機関に申し入れる
- 条件のよい金融機関に借り換える
返済条件の変更は「リスケジューリング」といいますが、返済期間の延長や一時的に元金返済の一部を繰延するなどの方法があります。
金融機関との交渉により、リスケジューリングが可能になると返済は楽になります。
しかしその分、想定していた「出口戦略」の時期が先延ばしになるなど、投資戦略の見直しが必要になることもあります。
リスケジューリングがうまくいかないときは、別の金融機関と交渉し、金利や返済期間などの条件を変更した借り換えを検討することも1つの方法です。
築古アパートは家賃が低く収益性が悪い
長期間経営をつづけたアパートや、築古アパートを購入した場合には、周辺にある築浅のアパートよりも設定家賃が低くなることがあります。また減価償却期間が経過してしまうと、課税所得が増加し収益性が悪化します。
賃貸住宅の家賃は年数が経過するにしたがい下がりますが、その下落率は基本的に年間1%といわれます。単純計算すると、10年経過すると家賃は10%減少するので、たとえ満室経営でも年間収入は大きく減少します。
減価償却は木造アパートの場合、新築物件だと22年ですが、22年経過した中古アパートを購入した場合の減価償却期間は4年です。
減価償却費は不動産所得を計算する際の必要経費となるため、減価償却期間が経過すると不動産所得税が増加しキャッシュフローが減少するのです。
対策
築年数が経過し減価償却期間が終了したアパートの対策として、次の2つの方法が考えられます。
- 大規模なリフォーム・リノベーションによりアパートを再生させる
- 売却する
大規模なリフォーム・リノベーションは「資本的支出」となり、新たな固定資産つまり減価償却資産の取得をします。減価償却が再び可能となり、家賃設定も改訂できます。
資本的支出として計上するには、リフォーム・リノベーションできる資金的余力があることが条件です。
資金準備ができない場合の選択肢は、売却です。減価償却期間経過による売却は、出口戦略としてアパート経営のスタート時に予定することが多いですが、出口戦略を立てていない場合でも売却を検討すべきタイミングといえるでしょう。
大赤字を回避!課題に直面したとき大家がすべきことは?
前章では収益性に関する悩みが生まれる原因と対策について解説しましたが、ここでは対策を立てて実行しても効果がないなど、経営に行き詰まりそうなときに検討したい解決方法を解説します。
賃貸管理会社に相談
大家が苦境から脱出するためにできることとして、賃貸管理会社に相談することが挙げられます。
すでに賃貸管理会社に管理業務を委託している場合には、委託中の管理会社にまず相談し経営状況の改善について相談します。改善策が見いだせない場合は、ほかの管理会社に相談する方法もあります。
ほかの管理会社に相談し改善策に可能性を感じる場合には、「管理会社変更」を視野に進めます。
自主管理を行っている大家であれば、信頼のできそうな管理会社を探しだし、経営改善の方法を相談します。
プロパティマネジメント能力のある管理会社に業務委託
賃貸管理会社が行う管理業務は大家の依頼にもとづいたものですが、どちらかというと「大家の業務代行」であり、入居者の募集から契約管理、建物管理、家賃管理、などが業務の範囲です。
一方、大家が行う「経営管理」まで含めて、大家が目標とする収益を確保するため、アパート経営に関わる一切の業務や経営戦略までを賃貸管理会社が担う方法があります。
「プロパティマネジメント」といいますが、大家の精神的な負担は軽減され、安定した収益を確保できる可能性の高い方法です。
「サブリース」という賃貸事業の形態がありますが、これも一種のプロパティマネジメントといえるでしょう。
アパート経営では売却も重要な経営戦略
賃貸管理会社に相談しても経営の改善策が見いだせず、サブリース事業者やプロパティマネジメントが期待できそうな管理会社に相談しても、見通しが立たない場合はアパートの「売却」を考える必要があります。
前章で述べた「減価償却経過後の売却」は予定していた戦略ともいえますが、ここでの「売却」は緊急避難的な方法です。
投資には損切りという言葉があり、主に株式投資で使われます。値上がりを期待して購入した株が下落したときは、しばらく保有するか、見切って売却するかの二者択一です。
損切りにより得た売却資金は別の銘柄の購入に使えますが、アパート経営でも同様の考え方ができます。
アパート経営は株式投資よりも長いスパンの投資期間があり、物件の値上がりを期待するキャピタルゲイン(売却益)よりも、安定したインカムゲイン(家賃収入)が目的です。
しかしながら収益性の悪化したアパートを保有しつづけるのは損失を増大させるおそれもあり、早い時点での売却(損切り)を行いほかの物件に乗り換えるほうが、長期的な視点において正しい判断といえる場合が多いものです。
アパート経営が限界に近いと感じたときには、早めに不動産会社に売却についての相談をすることが大切です。
- 高値売却かつ早期売却したい方におすすめの不動産会社 No.1 ※
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- 相続の相談をお願いしたい不動産売却会社 No.1 ※
トップファーストでは、全国の一棟アパートや一棟マンションといった収益物件をはじめ、様々な不動産を取り扱っております。
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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。