木造アパートの築年数に限界はない!? 長期運用のコツと注意点
木造アパートは、築何年まで運用できるのでしょうか。
木造アパートを経営する多くの方が、運用の限界について疑問を抱いているかもしれません。特に、投資や長期運用を考えている方にとっては重要です。
木造アパートの築年数の限界について詳しく解説し、長期運用のコツと注意点をお伝えします。
木造アパートの法定耐用年数と寿命の違い
木造アパートの存続期間は、法定耐用年数または実質的な寿命で判断します。
法定耐用年数と実際の寿命は、それぞれ異なる目的を持つ指標です。違いを認識せずにいると、建物の真の価値や使用可能期間を見誤るリスクがあります。そのため、木造アパートの価値や使用可能期間を評価する際には、法定耐用年数と寿命の適切な使い分けが必要です。
以下では、木造アパートにおける法定耐用年数と実際の寿命の関係性について、さらに詳しく解説していきます。
木造アパートの築年数は22年が限界ではない
法定耐用年数とは、資産がどのくらい残存するのかを国税庁が定めた年数のことです。建物の構造によって異なり、木造住宅では22年と定義されます。
法定耐用年数は、主に減価償却費を計算するために使用されます。木造アパートの場合、22年間にわたって毎年定額法または定率法で減価償却ができるため、建物の取得費用を費用化し、課税所得を減少させる効果があります。
22年以降は減価償却などの償却資産としては扱えませんが、これは会計上の扱いであり、建物はその後も使用可能です。また、建物の維持管理費用は必要経費として計上できます。
そのため、減価償却期間が終了したからといって、木造アパートの経済的価値や収益性が直ちに失われるわけではありません。
【参考サイト:主な減価償却資産の耐用年数表】
築50年以上でも現役の木造アパートがある
木造アパートは、築年数が23年を超え減価償却が終了しても、適切なメンテナンスを行えば安心して住み続けられます。実際、築50年以上経過しても現役の賃貸物件として管理されている木造アパートは少なくありません。
築古のアパートにも、以下のような理由から一定の需要があります。
- 比較的安価な家賃
- 長期居住者の存在
築古の木造アパートであっても適切な収益計画を立てられれば、魅力的な投資対象となり得ます。
築年数の古い木造アパート運用する際の注意点
木造アパートは築年数が古くても適切な運用と管理をすることで収益を生み出すことができますが、運用には以下の注意点もあります。
- 古い木造アパートは入居者が見つかりにくい
- 修繕やメンテナンスにお金がかかる
- 減価償却が終わるので節税効果がなくなる
それぞれの注意点について確認しておきましょう。
古い木造アパートは入居者が見つかりにくい
古い木造アパートは様々な理由から入居者が見つかりにくい傾向があります。
たとえば、デザインや仕様については、時代遅れで、「ダサい」「古臭い」と感じられることが多くなっています。
また、快適性の面でも、古い木造アパートは断熱性が低い傾向があり、夏は暑く冬は寒くなりがちです。防音性も十分でないことが多く、隣人の生活音が気になるなど、静かな暮らしを求める人にとっては不向きです。
設備の古さも大きな課題です。古い設備は効率が悪いことが多く、そのため光熱費が高くなる傾向があります。さらに、建物の経年劣化により隙間が多くなり、虫が侵入しやすくなるといった問題も生じやすくなります。
これらの要因が重なり、古い木造アパートは入居者にとって不快な点が多くなります。結果として、より快適な住環境を求める入居希望者が敬遠し、入居者が決まりにくくなっているのです。
修繕やメンテナンスにお金がかかる
木造アパートは建築確認申請が受理された日によって耐震基準が異なります。たとえば、昭和56年6月1日以前に建築確認申請が受理されている建物は「旧耐震基準」、それ以降は「新耐震基準」が採用されています。
それぞれの違いは以下のとおりです。
旧耐震基準 | 震度5強程度の揺れでも建物が倒壊せず、破損したとしても補修することで生活が可能な構造基準 |
新耐震基準 | 震度6強~7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しない構造基準 |
旧耐震基準のままでも法律に触れることはありません。しかし、地震の度に入居者が不安を感じることがないよう耐震補強工事が必要となるケースもあります。
また、旧耐震基準の木造アパートをこれから購入する場合、新耐震基準を満たせるような修繕をしなければ、アパートローンが通らない可能性が高くなります。
耐久性や耐震性だけでなく、築年数が進むにつれ給湯器や湯沸かし器などが劣化し故障することも増えます。修繕やメンテナンスが重なると高額な費用が発生するリスクがあるため、運用には注意が必要です。
減価償却が終わるので節税効果がなくなる
減価償却は経緯や支出を一度に計上するのではなく法定耐用年数で案分できる仕組みとなっており、毎年の課税額を圧縮できます。
しかし木造アパートの減価償却期間は22年のため、23年目以降は減価償却の資産とみなされません。減価償却期間が過ぎると課税額が高くなり、その結果納税額が増えることになります。
このことからも減価償却が終了するタイミングで収益計画を変更し、収支のバランスを再検証する必要があるでしょう。
限界が近い木造アパートの運用方法
築古の木造アパートを使った不動産投資では、入居者を集めるための工夫が必要です。しかし、具体的に何をすればいいのか分からないというオーナーも多いでしょう。
そこで、この章では限界が近い木造アパートの対応方法について解説します。
- 適切なメンテナンスと修繕を行いながら運用する
- リノベーションで今風のデザインを一新する
- 売却をする
適切なメンテナンスと修繕を行いながら運用する
まずは適切なメンテナンスと修繕を行い、入居者が安全かつ快適に生活できる空間を維持することが大切です。
築年数が古い木造アパートとはいっても、立地が良く家賃が適正であれば入居者が見つかる可能性が高いです。しかし、そのためには設備のチェックや敷地の草むしりなどを定期的に実施する必要があります。
アパートのメンテナンスや修繕の頻度が増えると、住民と顔を合わせる機会が増えるため、アパートの問題点を聞くことができ、空室対策にもなります。
このポイントはどのようなマンション投資でもあてはまりますが、築年数が古い木造アパートの場合はより高い効果が期待できるでしょう。
リノベーションで今風のデザインを一新する
古い木造アパートが懸念される理由に耐震性や耐久性の低さがありますが、それとは別に「見た目の古さ」があります。
築50年の木造アパートは手入れが行き届いていたとしても、間取りと設備の古さがあります。新しい設備に慣れている人からすれば、違和感のある居住空間です。
違和感は入居者が決まらない理由となるため、今風のデザインにリノベーションすることも検討しましょう。アパート全体を改修工事するリノベーションをすることで外観上の古さをなくすことができ、工事終了後は入居者からの問い合わせが増えることも考えられます。
古びた外観のアパートになっている場合はリノベーションを検討し、興味を持ちやすいデザインに変更することがポイントです。ただし、場合によっては入居者全員の承諾が必要になることもあるため、アパートの規約があれば内容をチェックしておきましょう。
売却をする
木造アパートの運用には多くの費用と手間がかかります。突発的な修理費用、毎月のランニングコスト、固定資産税や都市計画税などの納税、そしてリノベーション費用などが挙げられます。これらの費用を賄うために家賃を上げようとすると、入居者が離れてしまい、空室が増えて収益が悪化するおそれがあります。
収入と支出のバランスが取れない状況が続く場合、アパートの売却を検討することをおすすめします。売却益を別の投資資金に充てることで、アパートの管理から解放され、関連する税金の支払いも不要になります。
アパートの賃貸経営を終了する決断をした場合は、速やかに行動することが重要です。アパートの売買実績が豊富な不動産会社に相談し、査定額と売却プランの提案を受けることをお勧めします。早めの対応が、より良い条件での売却につながる可能性があります。
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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。