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相続した古いアパートを活用する3つの方法と判断基準を解説

相続した古いアパートを活用する3つの方法と判断基準を解説

相続したアパートは、適切に運用すれば安定した家賃収入が得られます。しかし、築年数が経過した古いアパートは、様々な課題を抱えていることがあり、そのまま運用しても必ずしも利益に結びつかないことがあります。


そのため、古いアパートを活用する際は、まず建物の状態を詳細に確認し、その結果に基づいて最適な活用方法を選択することが重要です。


古いアパートを活用するためにも、活用方法とアパートの状態を適切に確認する方法について確認しておきましょう。

まずはアパートの状態を確認する

相続などによって築年数の古いアパートを手に入れたとき、どうやって活用すればいいのでしょうか。こういったケースで確認すべき項目は次の3つです。


  • 築年数
  • 修繕履歴
  • 入居状況

アパートを活用するためには、健全な状態でなければいけません。現状に不備があるなら、改善が必要です。アパートの状態が深刻な場合、取り壊しや建て直しをしたほうがいい場合もあるので、建物の状態を事前に確認する必要があります。

築年数

不動産には物理的耐用年数があります。物理的耐用年数とは、建物や付属設備が経年劣化などによって壊れてしまう年数です。築年数が物理的耐用年数に近づくと、メンテナンスをしてもすぐに取り壊しを行うことになるため、活用は難しくなります。


物理的耐用年数に明確な決まりはありません。建物に使われている材料やメンテナンス状況によって異なるため、目安を把握するなら専門家による調査が必要です。


似ているものに法定耐用年数があります。これは税制上で固定資産としての価値がゼロになる年数です。アパートのような事業用の物件であれば、木造の場合は22年、鉄骨造では19~34年(骨格材肉厚によって変動)に定められています。一般的に、法定耐用年数よりも物理耐用年数のほうが長くなる傾向があります。


また、アパートの活用では耐震性も重要です。1981年5月31日以前に建てられたアパートは、旧耐震基準が適用されているため、安全性を高めるなら現在の新耐震基準に対応する修繕が必要になります。耐震補強をするには高額な費用がかかります。


そのため、アパートを活用する前には、築年数を事前に確認して費用をかけるべきかどうか判断することが大切です。

修繕履歴

アパートの維持には、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。これらの日常的な修繕に加えて、10~15年ごとに大規模な修繕が必要になるとされています。修繕には、給排水管の高速洗浄、ベランダの吸水塗装、給排水管などの水回りの更新などの項目が含まれます。


適切な修繕をされていないと建物の劣化が進みます。安全性や機能を維持できなくなってから修繕を行うと、高額な修繕費が発生することがあります。そればかりでなく、物件としての魅力が低下して、同じ地域のほかのアパートとの競争力が弱くなることで入居率・家賃の下落につながります。


したがって、修繕履歴をあらかじめ確認しておけば、活用を決める前にどれくらいの費用がかかるのかを把握しやすくなります。


入居状況

入居状況がわかれば、実際に得られる家賃収入がわかるので、そのアパートの収益性を把握できます。長期入居者の有無や入居者の年齢層などから、将来どのくらいの人が退去するリスクがあるかも推測できます。


空室率は、今後のアパートの活用方法を考える上で重要な判断材料になります。総務省が発表した「平成30年住宅・土地統計調査の集計結果」によると賃貸住宅の空き家率は全国平均18.9%です(表1参照)。


空室率は地域によって異なりますが、一般的にアパートの空室率の目安は20%とされています。この目安を大きく上回ると、赤字経営になる可能性が高くなります。


表1☆都道府県別・賃貸住宅の空き家率 主要+上位&下位(%)
全国平均 18.9
1 沖縄 12.0
2 熊本 14.8
3 東京 15.7
8 愛知 16.6
30 大阪 21.5
45 群馬 27.5
46 山梨 28.2
48 栃木 29.4

※データ出典:「平成30年住宅・土地統計調査」(総務省)


空室率が恒常的に高くなっているアパートは、間取りや立地(駅から遠い等)に問題点がある可能性が考えられるので、空室率が高い原因を精査することが必要です。

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古いアパートを活用する3つの方法

古いアパートを活用する場合、以下の3つの方法があります。


  1. 現状のまま、賃貸経営を継続
  2. リフォームを行って賃貸経営をする
  3. 他用途に転用

アパートの築年数や入居状況を確認して、どの方法が最善かを判断する必要があります。

現状のまま賃貸経営を継続する

アパートの入居率が高ければ、現状のままで賃貸経営をしたほうがいいでしょう。すでに満室状態であれば、アパートの状態や家賃設定が相場に見合っていると考えられるためです。


そのままの状態で賃貸運営ができれば手間をかけずに安定した家賃収入が得られます。これは、相続した古いアパートを活用する最も簡単な方法です。


また、相続した土地に賃貸住宅があると相続税の評価額が軽減され、節税対策にもなります。不動産がインフレ(物価上昇)に強いというのも、魅力的なポイントです。


ただし、アパートは日々劣化が進むため、いずれ大規模修繕が必要になります。メンテナンスや修繕が適切に行われていなかった場合は、高額な修繕費がかかることになるので、事前のチェックが必要となります。


リフォームをして、賃貸経営を行う

現状で入居率が低い場合は、リフォームによって設備を一新する方法があります。


築年数が古いアパートは、設備の老朽化やデザインや間取りの時代遅れなどの理由から、入居者を募集をしても集まりにくくなっています。リフォームをして快適な住環境を整えることで、新たな入居者が見つかりやすくなるでしょう。


アパートのリフォームの費用の相場は、1戸あたり20~100万円とされています。リフォームには国や地方自治体の補助金が使えるケースがあります(表2参照)。


☆表2 アパートのリフォームに活用できる可能性がある主な補助金精度(2024年5月現在)
補助金の名称 実施している官庁
住宅省エネ2024キャンペーン 国交省・経産省・環境省
長期優良住宅化リフォーム推進事業 国交省
子育て支援型共同住宅推進事業 国交省
住宅 建築物安全ストック形成事業 国交省
次世代省エネ建材の実証支援事業 経産省
既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省) 環境庁
介護保険法にもとづく住宅改修費の支給 厚労省

※条件や詳細については各官庁のサイトなどを参照


リフォームで優先したいのが、キッチンやトイレ、バスルームなどの水回り、床や壁紙、照明器具などです。見た目がきれいになれば、「古いアパート」というイメージから脱却できます。入居者が見つかりやすくなれば、安定した賃貸経営につながります。

ほかの用途への転用する

古いアパートは、以下のような別の使い方に転用することもできます。


民泊施設に改装

2018年に住宅宿泊事業法が施行されて、アパートから民泊施設に転用するハードルが低くなりました。ポスト・コロナ時代に入って、再び日本を訪れる外国人観光客が増えており、民泊のニーズが高まっています。


シェアオフィスやコワーキングスペース

コロナ禍以降、リモート勤務の企業が増えたこともあり、シェアオフィスやコワーキングスペースの需要が高まっています。リフォームをしても入居率の改善が見込めない場合は、シェアオフィスやコワーキングスペースに転用することで安定した収益につながる可能性があります。


高齢者向けのデイサービス施設

高齢者社会となり、デイサービス施設の需要は年々高くなっています。デイケアサービス施設とは、日帰りで介護支援を提供する施設です。


社会貢献にもなり、補助金も活用できます。ただし、手すりの設置やバリアフリーにするといった対策が必要になるため、初期費用がかかります。また、運営を委託する会社の選定など、やや複雑な作業が必要となってきます。

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古いアパートを活用するときの課題

古いアパートの活用には、いくつかの課題があります。修繕費用が高くなる場合もありますし、ほかの用途に転用しようとしても入居者から退去の同意が得られないケースがあります。また、賃貸経営を行って、必ず利益が生まれるとは限らないことにも注意が必要です。


不安がある場合は、アパートの賃貸管理の経験が豊富な不動産会社に相談すると、適切なアドバイスが期待できます。


修繕に高額な費用がかかる

建物に適切なメンテナンスが行われていない場合は、将来的に重大な事故につながるリスクがあります。そのため、相続後は早めの対策が必要です。その費用を考えると、マイナスからのスタートになる場合があります。


費用はアパートの築年数によっても変わってきますが、水回り設備や機械の補修や老朽化を予防するための修繕は、数万円から数十万円が目安とされています。


入居人に退去の同意が得られない

古いアパートを活用する場合、特にほかの用途に転用しようとするケースでは、既存の入居人に退去をしてもらう必要が出てきます。退去には合意が必要で、場合によっては立ち退き料を支払わなければいけません。


長期におよぶ家賃滞納や無断転貸などの正当な理由がなければ強制的に退去させることができないため、活用までに時間がかかるケースもあります。

必ず利益が出るとは限らない

すべてのアパートにおいて、安定した家賃収入が入るとは限りません。空室が埋まらずに収入が減少したり、家賃の下落や修繕費などによって損失が出る場合もあります。


また、アパートは、状況によりますが、すぐに黒字化するものではありません。家賃収入から経費や税金、借入金の返済額などを差し引いて、実際に手元に残る現金が初期投資額を上回ったときに初めて、黒字になったと言えます。アパート経営が黒字化するまでの期間は、10~20年が目安とされています。

活用が難しければ売却も検討する

相続したアパートの活用が難しければ、思い切って売却も検討する必要があります。売却する場合には、注意すべき点がいくつかあります。


たとえば、売却するタイミングによって、支払うべき税金の金額が変わります。相続してから最初の1月1日までの間に売却すると、固定資産税の支払いがゼロとなり、譲渡所得税も軽減される可能性があります。


売却は、多くの場合は不動産会社に依頼することになりますが、アパートの売買を専門で行っている不動産会社に依頼するとメリットが大きいでしょう。アパートの売買に対する実績が豊富なので、古いアパートでも売却できる可能性が高くなります。


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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。