アパートが老朽化したときにオーナーがとるべき対策
アパートは、時間の経過により老朽化が進行し、居住者からのクレーム増加、資産価値の低下、最悪の場合は倒壊のリスクがあります。そのため、被害を最小限に抑えるには、老朽化の状態を適切に判断し、早いタイミングで対策を講じることが重要です。
アパートの老朽化を判断する基準と生じるリスク、そして対策について解説していきます。
アパート老朽化の判断基準
アパートの老朽化を判断する際には、以下の3つの基準が重要です。
- 法定耐用年数を過ぎている
- 屋根や外壁が劣化している
- 設備が古い
アパートの老朽化は、どれかひとつの基準だけでなく総合的に判断します。それぞれの基準について詳しく解説します。
法定耐用年数を過ぎている
建物には法律で定められた一定の耐用年数があります。この耐用年数を過ぎた建物は、構造的な劣化が進んでいる可能性が高くなります。
具体的な耐用年数は、木造住宅で22年、鉄筋コンクリート造りの建物で47年です。耐用年数を超えた建物は、老朽化が進んでいると見なされる傾向にあります。
建物の状態を総合的に判断するためには、他の要素も加味する必要がありますが、耐用年数は分かりやすく、建物の老朽度合いを推し量る大切な基準の一つとなっています。
屋根や外壁が劣化している
外壁や屋根に劣化の兆候が見られる場合、建物全体が老朽化している可能性が高いといえます。外壁や屋根は、雨風や日光など外的環境に常にさらされているため、建物の中でも劣化が速い部分です。
屋根や外壁には素材を保護するために塗装されていますが、劣化が進むと色あせやひび割れ、剥がれが発生します。そこから水分が建物の内部に浸入することで建物全体を劣化させてしまうためです。
ただし、屋根や外壁の状態を判断するのは、専門知識がないと難しい場合があるため、塗装会社などに依頼するとよいでしょう。
設備が古い
アパートの老朽化を判断する上で、設備の古さは重要な材料となります。
アパートには、エアコン、キッチン、トイレ、風呂などさまざまな設備が備わっています。これらの設備が古くなり過ぎると、故障や不具合が発生しやすくなります。また、設備の経年劣化は居住環境の質の低下や入居者の確保にも影響します。
設置してから、ある程度の年月が経過しており、すでになんらかの故障や不具合が発生している場合は、アパートが老朽化しているといえるでしょう。
アパートが老朽化すると起こるリスク
アパートが老朽化すると、以下のようなリスクが生じます。
- 居住者からのクレーム増加
- 資産価値の低下
- 倒壊のリスク
老朽化したアパートを放置すれば、所有者だけでなく居住者や近隣にも悪い影響を与えるリスクがあるため危険です。そのため、なるべく早く対処する必要があります。
居住者からのクレーム増加
アパートの老朽化は、居住者からの苦情やクレームの増加につながります。
設備の故障や不具合が増えることで、水漏れ、電気トラブル、給湯器の不調など、日常生活に支障をきたす問題が発生しやすくなるためです。そのほかにも、屋根の劣化による雨漏りや、玄関ドアや窓の不具合による防犯性の低下など、居住者の快適性と安全性が損なわれる部分に対してクレームを受けるおそれがあります。
オーナーは、居住者からクレームがきた場合、適切に対応をする必要があります。対応ができなければ、不満を抱えた居住者が退去してしまうかもしれません。
退去者が増加すれば、アパート全体の空室率が高くなり収入が減少します。結果、クレームに対応するだけの資金がさらに不足して退去が加速するという悪循環を招くおそれがあるのです。
資金がなくなってから居住者からのクレームに対応するのは困難です。このような事態を避けるには、早めの対応が必要になります。
資産価値の低下
アパートを含めた不動産は、適切な管理をしていても、基本的に時間の経過とともに資産価値が低下していきます。しかし、適切な管理がされず、機能が低下した老朽化の状態は、それよりも早く資産価値が下がっていく傾向があるのです。
資産価値が低下すれば、将来、アパートを売却するときに期待した売却価格を得られず、売却損に見舞われてしまうことも考えられます。
また、老朽化による資産価値の低下は、有利な条件での融資が受けられなかったり、保険料が高くなったりするなど、アパート経営を圧迫する要因となりかねません。
このように、アパートの老朽化による資産価値の低下は多くのリスクがあるため、適切なメンテナンスを行い、着実に資産価値を維持していくことが何より大切です。
倒壊のリスク
アパートの老朽化は、建物の構造的な強度や安全性にも影響します。老朽化によって建物の骨格や基礎部分が弱体化していれば、地震や台風などの自然災害が発生したときに、倒壊するかもしれません。
倒壊が起これば、居住者や近隣住民の命に関わる深刻な事態につながるでしょう。また、倒壊した後も、建物の解体費用や居住者への保障、新しい建物を建設するための費用など、高額な出費は避けられません。オーナーの経済的損失は計り知れないでしょう。
アパートの老朽化は、人命にかかわるリスクがあるため適切な対策が不可欠となります。
アパートの老朽化対策
アパートの老朽化について、オーナーがとるべき対策について見ていきましょう。
アパートの老朽化対策としては、次の4つの方法があげられます。
- リフォームをする
- 建て替えをする
- 解体をする
- 売却も検討する
どの対策を選ぶかは、アパートの状況や現状の価値などを総合的に判断する必要があります。対策を間違えれば、高額な費用を使ってもよい結果が得られないこともあるため、事前に確認しておきましょう。
リフォームをする
リフォームとは、建物の一部や設備を改修、改良することを指します。老朽化したアパートをリフォームすることで、基本的な機能や性能を維持し、居住者の快適性や満足度を高める効果があります。
具体的には、古くなった設備の入れ替えや、壁や床の塗装の補修などです。適切なリフォームを施すことで、アパートの資産価値や収益性の向上につながります。
リフォームよりも大規模に修繕をするのがリノベーションです。建物の構造や間取りを大幅に変更するような工事を行うため、アパートのイメージやコンセプトを一新することが可能です。
どちらの手段を選ぶかは、アパートの状況や目的、予算等を総合的に見て判断する必要があります。費用対効果を十分に検討した上で、最適な方法を選びましょう。
建て替えをする
アパートの老朽化が進み、リフォームやリノベーションでの修繕が難しい場合は、建て替えを検討してみましょう。
アパートを建て替えれば、1から設計ができるため、現代の需要に合った新しいアパート建築が可能になり、竣工後は入居率や収益性の向上が期待できます。
また、新しい建物は優れた耐震性と耐久性を備えています。屋根や外壁の塗装も劣化していません。そのため、しばらくの間は修繕の心配から解放されるでしょう。
一方で、建て替えには建築費用のほかに、現在の居住者への立ち退き費用、解体費用など多額の費用がかかります。
このように、建て替えにはメリットとデメリットの両面があります。老朽化の状況や建物の立地条件、費用対効果を総合的に見て、慎重に判断することが求められます。
解体をする
アパートが、以下の条件に当てはまる場合は、解体を検討してみましょう。
- 老朽化が深刻でリフォームやリノベーションでの修繕が難しい
- 立地が悪く将来的に安定した収益が見込めない
- 旧耐震基準で補強工事に高額な費用がかかる
- 土地の価値が高い
解体のメリットは、建物の維持や管理から解放されることです。また、経済的な負担から解放されるため、安心して土地活用を検討できます。
建物を解体するためには、解体工事の費用や解体物の処分費用などが必要です。
解体工事費用の相場は、建物の構造や規模、立地などによって異なりますが、一般的に1坪あたり3~8万円程度といわれています。
たとえば、70坪の木造アパートを解体する場合、坪4万円としたとき解体工事費用は70坪×4万円=280万円です。
ただし、解体工事費用には立ち退き費用や税金などの付随費用が含まれていないことが多いため、実際にはもっと高くなる可能性があります。費用は、解体業者や建築業者によって異なるため、複数の業者から見積もりを取って比較するとよいでしょう。
売却も検討する
アパートのオーナーの中には「アパートが老朽化しているから売れない」と考えている方もいるかもしれません。しかし、不動産会社のなかには、老朽化したアパートを買い取り、リフォームをして再販する会社があります。
老朽化したアパートは状態がいいとはいえないため、売却価格は高くないかもしれません。しかし、売却できれば、居住者との契約解除や立ち退き交渉など、面倒な手続きをせずにアパートを手放せます。解体やリフォームなどの費用もかからないため、経済的な負担も減らせるでしょう。さらに、アパートを売却した資金を次の物件を購入する費用の足しにできる可能性もあります。
このように、老朽化したアパートを売却すれば多くのメリットがあるため、一度、アパート売却の選択肢を検討してみる価値は十分にあります。
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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。