アパートの取り壊しで失敗しないために!手順と費用の内訳を解説
アパートを取り壊すには、入居者への立ち退き要求、現地調査、室内の片付けなど、解体工事の前にしておくべき事項が多数あります。
費用についても、解体工事以外に、付帯工事費や入居者への立ち退き料などがかかります。事前に把握しておかないと、取り壊しまでの期間が長引くことや、費用が高額になることがあるため注意が必要です。
アパートを取り壊す際の手順や費用について詳しく解説します。
アパートを取り壊す手順
アパートの取り壊しは、以下の手順で進めていきます。
- 立ち退き要求
- 現地調査
- 費用の確定
- 室内の片付け
- 解体工事
アパートの取り壊しは、オーナーがすべき手続きがあるため、施工会社に依頼して終わりではありません。手続きを適切に行わないと、取り壊しまでの期間が延びたり、罰則を受けたりするおそれがあるため確認していきましょう。
1.立ち退き要求
入居者のいるアパートを取り壊す際、最初にすることが入居者への立ち退き要求です。借地借家法では、入居者に住む権利が認められており、強制的に退去させられないためです。
入居者に立ち退いてもらうには、立ち退きの期限や理由、立ち退き料の支払い方法などを明記した、立ち退き通知書を送付します。入居者が記載された条件に同意すれば、その通りに立ち退きを行います。
ただし、入居者は立ち退き要求を拒否する権利を持っているため、オーナーが立ち退き要求をしたからといって、必ず同意するとは限りません。
交渉は長期間に及ぶことがあるため、少なくとも解体工事を開始する6カ月前までには行うことが望ましいでしょう。
2.現地調査
立ち退き要求に対して入居者全員の同意を得たら、次に現地調査を行います。現地調査とは、アパートの建物や敷地の状況を調べることを指します。専門的な知識が必要になるため、施工会社や土地家屋調査士などの専門家に依頼するのが一般的です。
現地調査では、具体的に以下の内容を確認します。
- 建物の構造、規模、材質
- 敷地の形状や面積、地盤
- 周辺の道路や建物の状況
- 有害物質の有無
- 建物や敷地の埋設物
現地調査を行うと、解体工事の見積書が発行されます。見積書は、依頼する施工会社を選定する際や、契約条件を確認する際に必要です。紛失しないように大切に保管しましょう。
3.費用の確定
施工会社に見積書を提出してもらったあとは、価格交渉を行います。見積もりは、複数の会社に依頼できるため、交渉前に数社分を集めておいて相場感を確認しておくと、有利に進められます。
価格交渉の際に確認しておきたいのが埋設物や残置物による追加費用です。事前に施工会社に確認し、追加費用が発生した場合の合計金額についても把握しておくと安心です。
そのほか、見積もりには、解体する建物の構造や規模、作業内容、廃棄物の処理方法などが詳細に記載されています。不明点があれば遠慮なく質問し、内容をしっかり理解しましょう。
4.室内の片づけ
解体工事の着工前には、室内の片づけを行います。
室内の片づけとは、入居者が退去したあとの室内に残っている家具や家電、荷物などを撤去することです。室内の片づけは、オーナー側が行うのが一般的です。以下のような場合には施工会社に依頼することもできます。
- 部屋に大型の家具や家電があり、オーナー側で撤去が困難な場合
- オーナーが遠方に住んでいるため、現地での作業が行えない場合
室内の片づけを施工会社に依頼する場合、別途費用がかかることが考えられます。事前に確認しておきましょう。
5.解体工事
建物の解体工事は、構造に応じて適切な重機を使用し、安全かつ効率的に行われます。
工事前から工事完了後までの流れは、おおよそ以下のようになります。
タイミング | やるべきこと |
---|---|
工事前 |
|
工事中 |
|
工事後 |
|
解体工事にかかる期間は、構造や規模、立地などによって異なりますが、一般的には以下のような日数が目安です。
- 木造:10日~20日
- 鉄骨造(S造):10日~1カ月
- 鉄筋コンクリート造(RC造):2週間~40日
ただし、解体工事は、埋設物や残置物などが見つかると期間が延びる場合があります。そのため、あくまでも目安として把握しておきましょう。
アパートの取り壊しにかかる費用
アパートの解体工事にかかる費用は以下のとおりです。
- 解体工事費
- 付帯工事費
- 諸経費
- 立ち退き料
- その他
項目別に解説します。
解体工事費
解体工事費は、建物の構造や規模、立地などによって異なる費用です。主に解体作業と廃材の搬出処分にかかるコストが含まれます。解体費用は、地域によっても異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。
- 木造:3~4万円/坪
- 鉄骨造(S造):4~6万円/坪
- 鉄筋コンクリート造(RC造):5~8万円/坪
たとえば、70坪の木造アパートの場合、坪4万円として解体工事費用は280万円、鉄骨造の場合は坪6万円で420万円になります。ただし、アスベストを含む建材や、3階建て以上の建物は、解体費用が割高になる場合があります。
付帯工事費
付帯工事費は、建物本体以外の部分の解体費用です。ブロック塀や門扉、カーポート、物置、植栽、井戸や池、残置物(不用品)の処分費用などが該当します。
付帯工事費の割合は、現場の状況や解体工事会社によって異なりますが、一般的には建物本体の解体費用の50~60%程度が目安です。
たとえば、建物本体の解体費用が坪単価3万円で、アパートの面積が100坪の場合、建物本体の解体費用は300万円になります。この場合、付帯工事費は150~180万円の間になると予想されます。
諸経費
解体工事に伴う申請手続き費用などが諸経費に該当します。見積書には、「諸費用」や「諸経費」などとして記載されます。
具体的には、現場管理費や書類作成費、近隣へのあいさつ費、機械損料などの項目が含まれる場合が多いです。会社によって諸経費の内容や扱いは異なるため、注意が必要です。
諸経費の相場は、工事費用全体の約1割程度です。
立ち退き料
入居者がいる場合に、解体工事のために立ち退いてもらう際に支払う費用です。
立ち退き料は、入居者との交渉や契約内容によって異なりますが、一般的には家賃の数カ月分から数十カ月分が目安となります。
その他
解体工事には、通常のケースにはない特別な事情が伴う場合があります。その場合には、別途費用が発生する可能性があるため注意が必要です。
たとえば、アスベストを含む建材の除去費用や、地中に埋まっている浄化槽や便槽の撤去費用、地中に残っているコンクリート殻やゴミの撤去費用などが該当します。見積もりの時点で記載がない場合は、別途請求される場合があります。
解体費用を節約するには
アパートの解体工事には、高額な費用がかかります。費用を少しでも抑えるなら、以下の方法も検討してみましょう。
- 複数の施工会社から見積もりを取って最も安い会社を選ぶ
- 不用品や庭木をオーナーが処分する
- 補助金や助成金を利用する
- 施工会社の繁忙期を避けて依頼する
- 見積もり時に竣工図を用意する
- 建物滅失登記の手続きを自分で行う
アパートの解体には、自治体によって「老朽化危険家屋解体撤去補助金」や「建て替え建設費補助金」といった補助金制度を設けている場合があります。受給要件や支給額が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
解体費用の捻出が難しければ売却も検討する
アパートの解体費用が捻出できない場合、建物をそのまま売却する方法があります。
築年数が古くなるほど買主が見つかりにくい傾向がありますが、建物の状態や立地によっては、思ったよりも高額で売れる可能性もあります。また、売却であれば、入居者がいると収益化が見込まれるため、買主が見つかりやすい傾向があります。立ち退き要求や交渉、退去費用なども発生しないので取り壊しよりも手間がかかりません。
アパートの売却は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的ですが、依頼先の選定は慎重に行いましょう。不動産会社と一口にいっても得意とする物件種別が異なるためです。
アパートを売却する際は、不動産会社の実績などを確認してから決めましょう。
- 高値売却かつ早期売却したい方におすすめの不動産会社 No.1 ※
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- 相続の相談をお願いしたい不動産売却会社 No.1 ※
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2023年2023年5月期_ブランドのイメージ調査(調査1~3)
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査期間:2023年3月14日~2023年5月31日
n数:129(※調査1)、124(※調査2)、136(※調査3)/調査方法:Webアンケート
調査対象者:https://jmro.co.jp/r01446/
備考:本調査は個人のブランドに対するイメージを元にアンケートを実施し集計しております。/本ブランドの利用有無は聴取しておりません。/効果効能等や優位性を保証するものではございません。/競合2位との差は5%以上。